部屋と屋外との境界線をどうするのか、何をつくるのかは意外と悩みどころ。
選択肢の一つとして「インナーバルコニー」がありますが、インナーバルコニーにするとどんなメリットがあるのでしょうか。また、設置の際に注意しなければならない点はどこなのでしょうか。

◯インナーバルコニーとは
インナーバルコニーとは、建物の一部が屋外になっているタイプのバルコニーのことです。

一般的なバルコニーやベランダは、建物から張り出す形でつくられます。建物から張り出したもののうち、屋根があるものをベランダ、ないものをベランダと読んでいます。
この呼び分け方から考えると、インナーバルコニーはバルコニーよりもベランダに近い性質を持っています。インナーバルコニーには屋根があるからです。

では、インナーバルコニーと普通のベランダ・バルコニーの違いはどこかというと、建物から張り出しているかどうかという部分が違います。インナーバルコニーは建物に食い込むような形でつくられるため、外に張り出すことがありません。建物の一部がバルコニーとなっているため、上の階や2階の屋根がバルコニーの上に庇として被る形になります。

◯インナーバルコニーの長所
・雨に強い
インナーバルコニーには屋根があるため、多少の雨なら濡れることがありません。
ベランダも同様に屋根がありますが、建物から張り出しているため、濡れやすくなっています。しかし、インナーバルコニーは張り出しがないため、風があったり雨が強かったりしない限り、雨に濡れることはほとんどありません。

洗濯物を干したまま外出しても雨に濡らす心配が少なく、非常に便利です。また、バルコニーに置いたものが濡れにくいため、錆びたり、雨で汚れたりする心配も少なくなります。

マンションはインナーバルコニーになっていることが多いため、マンションで雨に濡れにくいのを経験していた人ほど、戸建てでもインナーバルコニーを希望する傾向にあります。

・部屋の延長線として使いやすい
インナーバルコニーには屋根と壁があるため、あたかも部屋の延長線であるように利用できます。

洗濯物を干すスペースとしてだけではなく、テーブルをおいてくつろぐためのスペースとしての利用もできます。

特に2階にリビングのある住宅との相性は抜群です。
リビングと繋がった空間にすることで、リビングが広々と開放的な空間に見えます。くつろぐためのスペースとしての利用もしやすく、庭と同じような感覚で気軽に外にでられます。庭よりも虫の心配が少ないのもメリットです。

その代わり、リビングと隣接しないインナーバルコニーは使用頻度が低くなりがちです。個人の居室につながっているためあまり使われず、結局洗濯物を干すだけのスペースになってしまったという話はよく聞きます。
インナーバルコニーを設置する場合は、仕様頻度と設置場所には注意が必要になります。

◯インナーバルコニーの短所
・価格が高い
インナーバルコニーは普通のベランダやバルコニーに比べて、価格が高いです。

ルーフバルコニーやルーフテラスでは、下の階の部屋の上にテラスやバルコニーをつくるため、工事に費用がかかります。インナーバルコニーでは、これに加えて屋根の工事費用もかかるため、更に高くなります。

広い面積のインナーバルコニーを作ろうと思うと、非常に費用がかかることになるため、慎重になる必要があります。

・部屋が暗くなりやすい
インナーバルコニーの屋根の分だけ窓が奥になるため、日差しが室内に入りにくくなります。
結果的に室内が暗くなってしまい、開放感のある空間をつくるつもりが、圧迫感を感じるような部屋になってしまったというよくある失敗例です。

採光に不安のある環境では、インナーバルコニーの設置はおすすめできません。どうしてもという場合は、天窓を付けるなど、他から光を取り入れる工夫が必要になります。

・間取りの自由度が下がる
インナーバルコニーの屋根を支えるために、他の部分の補強が必要となる場合があります。強度を確保するために間取りに制約が出たり、柱が増えたりする可能性があります。
大きいインナーバルコニーを作ろうとすると、それだけしっかりとした支えが必要となります。広いインナーバルコニーで開放的な雰囲気をつくりたいと考えている場合は特に注意しましょう。

また、インナーバルコニーは建物の一部を屋外にします。そのため、インナーバルコニーをつくった階の室内面積は下の階よりも少なくなります。
敷地面積や床面積に余裕のない住宅では、インナーバルコニーを導入することによって、さらに間取りが苦しくなる可能性があります。

◯インナーバルコニーの導入は慎重に
おしゃれで便利な雰囲気あるインナーバルコニーですが、その導入には慎重になる必要があります。
設置を決める前に、どんな風に使うのかなど、使い方や場面をよく想像してみましょう。
せっかくコストをかけて導入するのですから、しっかり活用できるルーフバルコニーにしましょう。