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住宅ローンの変動金利のリスクに備えるためには?

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住宅ローンを新たに組む人のうち、今は固定金利ではなく変動金利を選択する人の方が多数派です。
長く続いた低金利で今や住宅ローンの変動金利は0.4%台。かたや固定金利は35年で約1.3%と、いくら変動金利に金利上昇のリスクがあったとしてもその差は歴然です。
特にネット銀行の変動金利の住宅ローンは低金利で、少しでもローンの返済額を減らそうとネット銀行のものを選択する人がどんどん増えています。

しかし、やはり変動金利のリスクは気になるもの。金融機関や不動産業者、ハウスメーカーに言われるがままに変動金利を選んでもよいのか不安に感じている人も少なくないでしょう。

◯固定金利と変動金利を比べる時に気をつけるべきこと


固定金利と変動金利のリスクや長所を比べる際にはシミュレーションがかかせません。
返済額や返済期間、ライフプランによってベストな住宅ローンは違います。誰にとっても都合のいい住宅ローンというのはそうそうありません。

さて、シミュレーションをする前に気をつけておきたいのが、どの固定金利と比較するかということです。
よく引き合いに出されているのはフラット35の金利ですが、フラット35の金利は自己資金が1割以上と1割未満で大きく違います。
融資率9割以下の場合、フラット35の金利は1.390%。しかし融資率が9割を超えると金利が1.830%にもなります。
このときの自己資金の割合は、住宅価格に対するものです。フラット35で1.390%の金利にするためには、諸経費とは別に1割以上の自己資金が必要になります。

自己資金に余裕のある人ならフラット35の金利を比較対象にするのも良いですが、そうでない場合は都市銀行などの35年金利と比較対象にした方が良いでしょう。

◯変動金利と固定金利は最初の5年で数百万円の差がつくこともある

例えば4000万円を35年のローンで借りた場合を考えましょう。

変動金利は住信SBIネット銀行の0.457%を参考に考えてみます。
毎月の返済額は10万円強。返済額のうち元金は約8万から9万円、利息は約1万5千円から1万3千円ほどを占めています。
5年先、つまり12×5で返済60回目を迎えた時点で総返済額は610万円ほど。元金の返済は約530万円まで進んでいます。ここまでの総支払利息は約85万円になります。

一方の固定金利の場合。こちらは住友銀行の1.76%を参考にします。
この場合、月の返済額は13万弱。金利が高い文返済額も多いです。しかし、返済額の内元金は7万円から8万円弱。利息は月6万円から5万円もあります。
5年経った時点での総返済額は約765万円。変動金利よりも返済額は多いですが、元金の返済は430万円ほどしか進んでいません。

最初の5年は変動金利よりも固定金利の方が総返済額は150万円以上も多いです。しかし元金の返済は固定金利が100万円も遅れています。
十分な自己資金あり、フラット35を利用できるならば差はもう少し縮まりますが、やはり返済額が大いにもかかわらず返済が進んでいないことには変わりません。

安心を理由に固定金利を選ぶ人は多いですが、最初の5年で生じる数百万円がその安心の価格として妥当であるかどうかについては一考の余地があるでしょう。

◯変動金利はどこまで上がる?


変動金利は当初の金利が固定金利よりもずっと低いのですから、最初の5年のことだけを考えるなら変動金利の方が良いのは当然です。
しかし、35年ローンの場合5年分の返済が終わってもまだ30年もあります。この間に金利がどれだけ上がっていく可能性があるのでしょうか?

まず現在の金利の状況について確認してみましょう。
変動金利は短期プライムレートによって決まり、短期プライムレートに1%を足したものがメガバンクの金利になっています。

短期プライムレートは景気や物価を元に決まっているのですが、2009年以降全く変わっていません。10年近く同じ金利のままです。これだけ長期間金利が変わっていないとなると、今後も金利が急上昇するとは考えにくいです。
住宅ローンで変動金利を選ぶ人が増加しているのも、こうした背景があるためです。

しかし、政府は2020年までに物価指数を2%上昇させることを目標にしています。物価が上がれば当然短期プライムレートも上がり、変動金利の住宅ローン金利も上がります。
ただ、物価が2%上昇しても短期プライムレートの上がり幅は0.2%から0.5%にとどまるだろうと予測されています。

前回短期プライムレートが上昇したのは2008年。物価指数は2.1%上昇しましたが、短期プライムレートは0.5%しか上がっていません。
変動金利を危険視する人の中には「物価が2%上がれば金利も2%上がる」などと騒いでいる人もいますが、過去の事例を見ればそんなことが起こりえないのは明らかです。

◯金利上昇による返済のリスク

変動金利を選ぶ上で一番不安なのは、金利が上がりすぎて返済が不可能になってしまうのではないかということです。
金利が上がって最終的には固定金利と変わらない返済額になったり、固定金利より少し多くなってしまったりするリスクは受け入れられても、返済が困難になるほど金利が上がってしまっては困ります。

変動金利では急に金利が増えても返済ができるように、返済額について一定のルールを設けています。
変動金利の見直しが行われるのは5年に1度。この期間中に短期プライムレートに変化があれば金利が上がります。
ただ、急に毎月の返済額が増えると返済が難しくなる可能性が高いため、どんなに金利が上がっても返済額は1.25倍までにしかなりません。

返済額が急に増えないのはありがたいことなのですが、その後も金利が上昇し続けた場合、非常に厄介なことになります。
金利上昇のペースに返済額の増加が追いつけない場合、元金の返済はどんどん遅れてしまいます。しかし、いくら返済の進みが遅れても返済期間が伸びることはありません。返済しきれなかった分は最後の年にまとめて請求されることになります。下手をすれば突然数百万円の支払いを最後の段階になって突きつけられる可能性もあるのです。

現実的には、ずっと金利が上昇し続けるということは考えにくいです。万が一のことがあっても変動金利の住宅ローン利用者が増加している以上、沢山の人が露頭に迷う前に何らかの対策が取られるは思いますが、変動金利がどのようなルールの元にあるのかは知っておくべきでしょう。

◯住宅ローンのリスクを避けるためには


変動金利の金利が急激に上昇することは考えにくいですが、5年から10年で0.5%は上がってもおかしくありません。日々の生活を守るためにはリスクへの備えが必要です。

また、固定金利が必ずしも低リスクだとは限りません。
返済額が多く、返済の進みが遅くなりやすいということは十分なリスクです。返済額が35年先まで一定でも、収入が一定であるとは限りません。収入が減ったり、病気や怪我などで出費が増えたりする可能性もあります。

住宅ローンのリスクを抑える最も良い方法は、繰り上げ返済を活用して早く元金を減らすことです。
これは変動金利でも固定金利でも同じです。
元金が減って返済期間が短くなれば、金利が上昇しても利息への影響は少なくなります。余裕があるうちに返済を進めていくことで、万が一のときの家計への負担も減らせます。

そして、繰り上げ返済を積極的に活用するのであれば、変動金利の方が向いています。
前述した通り、最初の5年の総支払額は変動金利の方が百万円以上少ないです。その差の分だけ繰り上げ返済を行えば、金利上昇の対策を行えると同時に、より返済額を減らすための策にもなります。
固定金利の場合、月々の返済額が元々大きく、それに加えて繰り上げ返済を行うのはかなり負担が大きいです。

◯住宅ローンのリスクと変動金利

変動金利を選択する人が増えている背景には、低金利のネット銀行の存在と、変動金利の基準となる短期プライムレートが10年近く変わっていないことがあります。ただ、政府の目標通りに物価が上昇すれば5年間で0.5%ほど金利が上がる可能性もあります。

変動金利の金利上昇のリスクに備えるためには、積極的に繰り上げ返済を行うことが鍵になります。繰り上げ返済によって元金が減っていれば、金利が上がっても利息の増加は緩やかになります。
最初の5年で考えれば、固定金利に比べて変動金利は支払額が数十万円から百万円以上も少なく済むため、浮いたぶんを繰り上げ返済に回すのが良いでしょう。

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